岡本クリニック日記

岡本クリニック メンタルケア室    岡本慶子 精神科医

外来患者さんの孤独

「統合失調症は軽症化して外来でフォローできる人が増えた」とよく言われる。
近頃の医療関係者の関心は重症者のケアに向くことが多く、それはもちろん大切だ。

しかし「軽症」と呼ばれ淡々と外来に通っている患者さんたちの孤独の深さを軽視してはならない。
グループで一人のメンバーが「死のうと思ったことがありますか」と問えば、みんな口々にその経験を語りだす、そんな思いを抱えておられるのだから・・・

症状の軽重と、抱えているつらさの軽重は、平行ではない。

みんなにもある、ここでは言える、実はよくあるらしいこと

統合失調症の疾患教育をグループで行う良さは多々あるが、
その最大のものは「人に言っても分かってもらえない、自分にだけおこった異常で得体のしれないできごと」が
「みんなにもある、ここでは言える、実はよくあるらしいこと」に変わってしまうことだ。

専門家が変えるのではない。仲間が変えるのだ。

普通の病気、普通の対応

内科領域では「糖尿病教室」があちこちの外来で普通に行われているようだ。
統合失調症も普通の慢性疾患なのだから、そのように普通の対応ができるとよい。

同じ病気をもつ人に、どうしているか聞きたい

「同じ病気をもつ人に、どうしているか聞きたい」
かんたん統合失調症教室への申込み動機のうち、もっとも多いものだ。
そして参加後には異口同音に言われる。
「みんな同じようなことで悩んでいるんだと知って気持ちがやすらぎました」
「ほかの人の話が参考になりました」

私の話は前座みたいなもの、それで良いのだと思う。
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