岡本クリニック日記

岡本クリニック メンタルケア室    岡本慶子 精神科医

4コマ漫画「統合失調症とのつきあいかた」当事者50人の経験 ようやく公開

グループ療法でメンバーが出し合う、統合失調症とつきあうための知恵。
自分でできる対処の工夫や深い思い。
いろんな人に役立つように、しかも分かりやすく、と願って、4コマ漫画にして書きためていた。

みんなに見てもらうと、
「家でいつでも見れるようにしてほしい」「ホームページにのせてほしい」「家族にも見せたい」と要望多数。

多忙に負けてグズグズしていたが、
新阿武山病院・新阿武山クリニックの「心理教育セミナー」に招いていただいたのを機に
やっとブログにして公開できた。

同セミナーの打ち合わせで4コマ漫画を話に盛り込むことになったものの、
大量にあるため印刷の手間をかけるのが気が引けて、
「ネットで見ていただけます」と言えるようにと一念発起。

主催者のご好意で、結局全部印刷して分厚い資料を作ってくださったのだが、
おしりに火が付いたおかげでやっと公開にこぎつけた。

統合失調症に悩む多くの人に見てほしいから、ランキングなるものにも初めて参加。

4コマ漫画「統合失調症とのつきあいかた」当事者50人の経験はこちら
パソコン、スマホ版  http://okamoto-clinic-4koma.dreamlog.jp/
携帯版  http://okamoto-clinic-4koma.m.dramlog.jp/


志のある仕事

小澤勲先生はときおり「志」という言葉を口にされた。

見かけの整った仕事でも、それが感じられないものには「志が低い」と切り捨てるように言われた。
温厚な先生が厳しい表情を見せる瞬間。

小澤先生の志は晩年に向かって益々明らかになり、現在の認知症分野にしっかり根付いている。

私などは志の形が自分の目にもはっきり見えない頼りなさだけれど、それを持てとの教えだけは忘れていない。

技術としてのやさしさ

恩師故小澤勲先生の言葉に「技術としてのやさしさ」がある。

認知症の患者さんに接するにはやさしさが必要だ。
天性のやさしさをもつ人は自然に患者さんと心通わせる。
しかし自分のように天性のやさしさをもたない者は、異常行動の背景にある物語を読み解く「技術としてのやさしさ」を身につけるしかない、と。

「天性のやさしさをもつ人っているんだよねえ~」と、ちょっとくやしそうに笑っておられた。

私もまた天性のやさしさに欠ける者として、この言葉は身に染みた。
さらに私には技術としてのやさしささえ、なかなか身につかない。





小澤勲先生

研修医時代、故小澤勲先生の勉強会に入っていた。
当時京都府立洛南病院で認知症にとりくんでおられた先生は、児童から成人、自閉症から統合失調症やうつ病まで広範な臨床経験から紡ぎだされる知恵を、惜しみなく若手に与えてくださった。

横断面にとらわれる近年の精神医学を批判し、「病前性格ー発症状況ー経過のセットで考えよ」と教えてくださった。
それはとりわけうつ病の臨床に有用だった。表面的・横断的な症状が入り組んでいてもその本質にうつ病が見えれば、薬物選択や治療方針が的確になる。

「認知症患者さん同士のかみあわない会話は「偽会話」と呼ばれるが、本当は感情レベルで通じ合っていて「偽」ではない」と、今では知られたことだが、当時から言っておられた。

大学の事例検討会で私が報告するとき、何のついでだったのか、臨席してくださったことがある。
当時の教授木村敏先生や、もう一人の恩師松本雅彦先生もおられ、今では考えられない豪華な検討会。
事例の経過をめぐる木村先生と小澤先生のやりとりが視点の違いから緊張をはらみ、若かった私は困惑してしまった。

晩年は数々の貴重な出版を重ねられた。
いただいたメールに「病をおしてというような悲壮感はありません」とあった。
その凛とした響きを思い出す。











小さな同窓会

医学生時代からの女友達と3人で、恒例のランチ。

仕事はもとより家事も育児も引き受けてきたオバサン女医同士は分かり合えることばかり。


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