岡本クリニック日記

岡本クリニック メンタルケア室    岡本慶子 精神科医

ご結婚

もとメンバーからご結婚の報告をいただいた。
ウエディングドレスに包まれた幸せな笑顔に、胸がいっぱいになった。
一生懸命こつこつと働いていた彼女を、見ていた人がいたんだな・・・と思う。

女性に多い悩みのひとつが「婚活ってどうしたらいいかな」「出会いの機会がない」である。
でもこんなふうに、日々の暮らしのなかに出会いがひょっこり顔を出すこともある。

テレビでの統合失調症

あるテレビ番組の制作スタッフから電話があった。
こんど統合失調症の特集をするので・・・との取材だった。

このところ、テレビで統合失調症が取り上げられる機会が増えている。
それ自体は良いことだ。「知らない」ゆえに起こる弊害は大きい。

ただ方法には十分な考慮が必要だ。

メンバーの皆さんから、テレビでの統合失調症のとりあげかたに辛い思いをする、と聞くことがある。
せっかくの啓発目的の番組が「怖い病気だから早く発見しましょう」というニュアンスで、あとに残るのは「怖い病気」という印象ばかりだったとか・・・。
NHKには意欲的な取り組みがあるけれど、一方朝ドラ「純と愛」での統合失調症の扱われ方には胸が痛んだ。メンバーからも同じ思いを聞いた。

最良の報道は、当事者の(それもできるだけいろいろな方の)発言だと思う。

希望を語る 4

浜崎裕佳さんからメール。
電子書籍を出版したとの嬉しい知らせだった。


「病気の私は、私の一部です ―統合失調症と私―」


「病気だからって、人生諦めることなんてない」「社会は冷たくなく、あたたかい」「今を精一杯生きてゆく」と語りかける氏は、そう思えるようになるまでに、幾多のつらい経験をして変わってこられたのだ。

希望の見えない日々を過ごす人に読んでほしい力作だ。
http://cargo.honninaru.com/display/details.cfm?gid=30012341


 


 

無題

尊敬する先輩を見送った。
とりわけ困難な臨床現場に自ら飛び込み、生涯を走り続けてきた方だ。
病床での最後の著作にその志を託して。

M先生

恩師M先生は、決して偉そうにされない。
患者さんに対しても私たち若輩に対しても、いつも静かに控えめに接してくださる。

そんな先生が珍しく、あるテーマで臨床論文を書くようにと何度も促してくださったことがある。昔、大学病院にいた頃だ。
筆不精でなかなか手をつけない私に、先生はたびたび「あれ、書いてる?」と尋ねてくださった。
粘り強い促しのおかげで、いつかは書こうと思いつづけることができた。そして10年もたって、ようやく書き上げた。そんなにお待たせしたのに先生は快くご校閲くださった。そして、そのテーマは以後の私に大きな影響を与えた。

70代半ばになられた先生は、今も私を思いがけない出会いに導いて下さったりする。
人生の要所を方向づけて下さるご指導に、感謝は言葉につくせない。

K先生

「精神科外来診療所研究会」の演者として、話す機会をいただいた。
私が昔から尊敬するK先生が自腹を切って開催されている、京都では知る人ぞ知る研究会だ。
K先生は診療とともに、薬害や公害、環境問題分野でも活動され、今は原発問題に力を入れておられる。

研修医時代、何度も診察を見学させていただいた。
薬に造詣が深く、種類も量も絞り込んだシンプルな処方と、的確な生活指導。深入りをしないあっさりした治療関係なのに患者さんからの信頼が篤かった。

今年80歳になられたK先生は、活動報告をした私に「あなたの夢は何?」と尋ねられた。「若い人には夢を持ってほしい」と。
私の夢はまだ形が見えない。日々の仕事に取り組むうちに、だんだん形が見えてくるものだと思っている。
でも忙しくしていると、夢の形を追うことを忘れそうになる。

K先生はそんな質問をしてくださる方なのだ。





大学生が統合失調症にかかったら

ある大学から依頼があり、教職員むけの研修会で話してきた。
テーマは「大学生によくある病気~統合失調症の基礎知識~」。

統合失調症の好発年齢は10歳代後半から20歳代。まさに大学生の頃だ。しかも多い疾患だ。

しかし、一般に大学における「統合失調症」を意識した学生支援は整っていない。ニーズはあるのに。
身体障害や発達障害にくらべてずいぶん遅れをとっている。

今回は学生相談室からの依頼だった。そんな状況に一石を投じたいカウンセラーの思いが伝わってきた。
医療の側からは何ができるのだろうか。考えさせられる。







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