岡本クリニック日記

岡本クリニック メンタルケア室    岡本慶子 精神科医

松本ハウスがやってきた

松本ハウスのお笑いライブに行ってきた!
久しぶりに大笑い。

このところ仕事以外のことでいろいろあって、本当に疲れていたので
「面白かった」のはもちろんあるけれど、なんだか「助かった」気がした。

お笑いは、すごい。

当事者によるテキストチェック

かんたん統合失調症教室で使っているテキストがある(クリニックのホームページで公開)。

ときおりメンバーから率直な意見をいただく。
なるほど。と思ったらすぐに書き直している。
医学的事実は書き直しようがないけれど、「ここは分かりにくい」等々、意見は大歓迎だ。

私は、あらゆる心理教育や認知行動療法のテキストやマニュアルに当事者の生の声がフィードバックされるべきだと思っている。
とりわけ「誇りを傷つけられたと感じる部分はないか」が重要だ。ひらたく言えば「ばかにされた気がしないか」。

デジタルな指標を用いて科学的に効果を評価することは大切だけれど、加えて、違う角度からのチェックも必要ではと思う。
患者さんは、不快感があっても上手く言えないで我慢していることがある。

まずは「自分が受けるならどうか」を考えなければならない。
しかし想像力の及ばないこともある。当事者に教えてもらうのが近道だ。






悩みは縦に並べる

出勤前にテレビを見ていたら、笑福亭鶴瓶さんがこんなことを言った。

「悩みは横に並べたらあかん。縦に並べる。それで一こずつ片付けていくねん。」

前から順にゆっくりどけてゆく彼の仕草で、「悩み」が行儀よく縦に並んでいるのが目に見えた。

私たちは患者さんに、「問題に取り組むときには一つずつ」とよく言うけれど、

この一言とこの手つき。忘れられないインパクトだ。噺家恐るべし。






統合失調症のひろば

雑誌「統合失調症のひろば」(2013年秋号 日本評論社)が届いた。
メンバーの座談会が掲載されたので嬉しい。
彼らの発言には大切なことがらがちりばめられていると、読み返してあらためて思う。

雑誌の冒頭に門眞一郎先生が登場されていた。
昔の一時期、児童精神医療分野で働いていたときの恩師だ。
間違ったことを言えばきちんと叱ってくださった、筋の通ったお人柄がそのままでなつかしい。

さて、メンバーに雑誌を渡すのが楽しみだ。

嵐のなかで

台風が近づいて、横なぐりの大雨に見舞われた。
出勤するのに一歩外へ出たら、たちまち全身ずぶぬれだ。
暴風警報が出たらグループは中止だけれど、今のところ大雨警報までだ。
みんな来るかなあ・・・これでは家から出にくいだろう・・・。

そんな中でも笑顔がそろった。「すごい雨でしたねえ」と言いながら。
そんな一コマ一コマに、やる気をいただいている。




このごろ思い出すこと

このごろ幾度となく思い出す光景がある。

研修時代の大学病院。精神科は本館からずいぶん離れている。木立を奥へ進むと戦前にタイムスリップしたように木造瓦屋根の外来棟がひっそりと建っていた。小暗い階段を上がると医局だ。

古びた一枚板の大きなテーブル。書類の山。アルミの灰皿にあふれる吸殻。

夜になると市中の病院から第一線で働く先輩たちが集まって勉強会が開かれる。
いかつくて男臭い硬派な空気に、はじめはたじろいだ。
でもそこには、「患者さんたちにとって何が良いのか」を考えつづける優しさと志があった。
先輩たちのさりげない言葉から、予断にとらわれず自分の目で見て地に足ついた臨床をする姿勢を学んだ。

組織を離れて自分の仕事を始めた今、無意識によりどころを探しているのだろうか。あの時間が思い出されてならない。翌年には解体された木造建築の、ひんやりした空気とともに。


就労支援の経験から 1 働く現場での個別支援

前職(精神保健福祉センターデイケア)での最後の4年間、就労支援を担当した。
現場に出向いての個別支援を重視した、デイケアの就労支援としては当時珍しいものだったと思う。
デイケア施設内でのプログラムを改良する一方、外にも出てゆく。メンバーも大変だがスタッフも努力した。

職場実習やハローワークへの同行はもちろんのこと、必要あればジョブコーチ同様に職場にも行った。
作業の遅さを問題視されていたメンバーの隣で同じ作業をさせてもらったことがある。
・・・私のほうがずっと遅かった。思い出すと冷や汗がでる。

幾人ものメンバーが、パートではあるけれど一般企業で働きはじめた。
6~7年たった今、すっかり会社になじんでいる人たちがいる。
企業家や会社の方々とは今もお付き合いがある。メンバーのことでではない。別件で連絡を下さったり、クリニック主催のイベントにひょっこり顔を出してくださる方もあって、とても嬉しい。

それまでの私は、会社とはお金を稼ぐための装置だと思っていた。
しかし私が出会った企業家たちは、経営を大切にしながらも会社という仕組みを通してもっと先を見ておられた。







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