岡本クリニック日記

岡本クリニック メンタルケア室    岡本慶子 精神科医

希望を語る 3

当事者による当事者のためのシンポジウム「統合失調症をもつ私からあなたへ」を開催したとき、不安なことがあった。
「元気になった(実際はそうでもなかったりするが)人の話ばかりだ」と言われはしないだろうかと。

しかし会場の笑顔、大量に回収できたアンケートにびっしり書き込まれた文章を見て、杞憂だったと分かった。
にこにこして「来てよかった」と帰ってゆかれたみなさん。
「勇気づけられた」「参考になった」「共感できた」とアンケートに寄せられた当事者の声、声。

長い苦悩を経てきたシンポジストたちの話は、私のつまらない心配事など吹き飛ばしてくれた。
みんな、希望を必要としているのだ。
医師や支援者の言葉の上でのそれではなく、当事者による本当に目に見える希望を。


シンポジウムの報告
http://www.eonet.ne.jp/~okamoto-mental/sympo-report.html

希望を語る 2

旧知のTさんからメールをいただいた。
You Tube に「統合失調症と私」と題して自己紹介とパフォーマンスを公開されたのだ。
了解を得てここに紹介する。希望のメッセージが多くの人に伝われば・・・と思う。

(紹介文より引用)
病気を受け入れ、希望へ向かう私の姿です。病気からの脱皮­。このパフォーマンスから希望を感じてほしい。病気でも諦めず生きていこう! そんなメッセージをこめています。

統合失調症と私シリーズ
自己紹介編 http://www.youtube.com/watch?v=44CgJ6Rd7XA&feature=youtu.be
パフォーマンス編 http://www.youtube.com/watch?v=8QF8gWpGUTY&feature=youtu.be





希望を語る 1

当室が開催している「当事者による当事者のためのシンポジウム ~統合失調症をもつ私からあなたへ~」は、当事者からのメッセージと会場とのやりとりだけで構成されるシンポジウムだ。

シンポジストも当事者、会場も過半数は当事者。
専門家(支援者)の話は一切交えない。また、一般向けの啓発目的の講演会ではない。
「当事者による当事者のための」にこだわる。

自分の経験が役にたつなら人々に伝えたい。そう思う方たちに、たくさん出会ってきた。
今、多くの当事者が自らの経験をもとに、仲間に向かって「希望をもとう」と語り始めている。

シンポジウムはそんな声が響きあう場になっている。


2011年第1回(参加約200人)、2012年第2回(参加397人)の報告
http://www.eonet.ne.jp/~okamoto-mental/sympo-report.html


*次はいつですか?とのお問い合わせをときどきいただいています。ありがとうございます。たいへん申し訳ありませんが今のところ未定なのです。2013年中にはむずかしく、来年以後になるかと思います。事前にホームページで広報しますのでどうぞよろしくお願いいたします。お待たせして本当にすみません・・・。

  

「統合失調症がやってきた」ハウス加賀谷&松本キック(松本ハウス)を読んで

 ハウス加賀谷さんを知ったのは2010年頃。たまたまネットで、統合失調症での入院歴をオープンにして活動再開された様子や、幾人ものファンの好意的な書き込みを見た。昔出演されていたというテレビ番組は見たことがなかったけれど、とても心ひかれた。

 当時は精神医療分野ではまだ注目されていなかった。私の地元の保健センターの企画会議で、一般向けの精神保健啓発集会に良いゲストいないですかと問われて「こんな芸人さんがいるらしいんですけど・・・」と提案したら、あっさりスルーされた。

 そんな加賀谷さんの名前を、2013年春の日本統合失調症学会プログラムに見つけたときは嬉しかった。そして今回、出版された本を速攻で買った。すぐに売り切れたと聞く。

 一気に読んだ。「とうとうこんな本が出た・・」と嬉しくて胸が熱くなった。書評めいた言葉など、軽々と越えてしまう本だ。
 とにかく読んでほしい。どんな人にも読んでほしい。

私たちは病気にはなったけど、子どもになったわけじゃない

「私たちは病気にはなったけど、子どもになったわけじゃない」
昔、デイケアで患者さんに言われた言葉だ。自尊心を保つために、勇気をもって言いにくいことを言ってくれた人だ。

 リハビリプログラムの中には、子ども扱いの落とし穴がある。リラックスして楽しく参加していただけるようにとの意図であっても、毎週、毎日繰り返されれば、参加者はそれに合わせようとして子どもっぽいふるまいを身につけざるを得ないだろう。
 気づかないうちに自尊心を破壊してしまう。私たちは本当に気をつけなければならない。

どうやって病気をうけいれましたか

「どうやって病気をうけいれましたか」「病気になった自分をどう思いますか」
発病後比較的年月の浅いメンバーから他のメンバーにむかって、ときおり出される問いである。

それぞれから切実な、そして心あたたかいコメントが返される。
私はその重みに言葉もなく聞き入っている。

同世代・同性どうしの小グループ

 かんたん統合失調症教室の開始時には、数人ずつにグループ分けをする。

 同世代の人と交流したいという希望はとても多い。とりわけ10~20代の若い人、それから女性の場合は年齢を重ねても、その希望が多い。できるだけ近い世代同士になるように分ける。同性がよいという希望もしばしばなので、男女別のこともある。

 一般の施設でされているような、年齢性別にこだわらない交流の良さもある。
一方で、同世代でまたは同性で交流したいというニーズにこたえる場も必要だろう。
そのようなグループ分けがしやすいのも、いろんな医療機関から人が集まってくるメリットのひとつ。
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