私は話すのが苦手だ。
思いが話し言葉になってすらすら出てくるタイプの人間ではない。
だからふだんは無口だ。
でもこうして書いていると、少しずつ出てくる。

統合失調症をもつ方々の中にも、無口だけれど書いていただくと思いが出てくる人が少なくない。
だから私のところでは、なにかと書いてもらう機会がある。
まとまった文章でなくていい。誤字脱字全然かまわない。思いは十分に伝わってくる。

ときにはミーティングの前に、テーマにまつわる各自の思いをメモしてもらう。
無理なく書ける範囲でいい。書きたくない人や必要のない人は書かなくていい。
それを見ながら発言してもいいし、緊張で発言できなければメモだけ提出してもいい。

「当事者による当事者のためのシンポジウム」では、参加者全員に配るアンケート用紙に添えて小さな鉛筆をプレゼントする。
筆記用具を持参する方は少ないから、鉛筆をわたすことはとても大事だ。
アンケートは言葉で書いていただく。よくある「あてはまるところに〇」では、何も伝わってこないから。
たくさん返ってくる。ぎっしり書き込まれたもの、短い言葉に深い思いを込めたもの。

小さな鉛筆から紡ぎだされた言葉の一つ一つが、光っている。