日々、患者さんたちの言葉をきく。
そこから見えてくる、症状や苦しみのありようと、
統合失調症の認知行動療法の既存のマニュアルとのギャップにとまどうことがある。
とりわけ「妄想をもつ人は、よくない出来事を他の人のせいにする傾向がある」という、よくある表記。

見る角度によってはそうなのかもしれない。
しかし私が患者さんからよく聞くのは、こうである。
「何でも自分に原因があると思っていた」。それが実感だろう。

それで思い出されるのが、コンラートの「アポフェニー」だ。
直証的にことがらが「私」に関係しているという意識のあり方。

既存のマニュアルによって集団治療をうける人達の中には、
私と同じような違和感をもって、
そして私と同じようにそれをなかなか言葉にできない人がいるのではないだろうか。