岡本クリニック日記

岡本クリニック メンタルケア室    岡本慶子 精神科医

日常診療から

メンバーの知恵を4コマ漫画に

グループであれこれ話していると、メンバーの暮らしの知恵に驚くことがある。

病気との付き合いのなかで編み出された技術は、一般の統合失調症患者さんに役立つにちがいない。
それらを分かりやすく4コマ漫画にして公開したいと考えている。

先日の統合失調症学会発表や今年度のテキストに少しだけ例を入れてみた。

メンバーと一緒に考えながら、広く役立つものを作ってみたい。

家族教室

毎年、家族教室を実施している。
今年度はいつもの内容に加えて、講演会をひらく。
「訪問してくれる支援」として、ホームヘルプサービスと、訪問看護について、それぞれの現場の専門職からお話をいただく予定。
いずれも地元、京都市南区にある事業所からお越しいただく。
保健センターの相談員をして「難しいときほどお願いしたくなる」と言わしめる、良い仕事をされる方たちだ。

「親が元気なうちはいいけど・・」と将来の心配をされるご家族に(ご本人も)、少しでも安心していただけたら。
たとえ訪問支援を必要としなくても、「イザとなればこんなのもあるんや」と知って気楽になっていただければと願っている。
案内状作りが結構大変だった。送付できてほっと一息。

「精神障害者」でなく「求援権者」と呼ぶ

当室では「精神障害者」という言葉を使わない。必要なときには「求援権者」と言う。

「かんたん統合失調症教室」では就労支援、生活支援等の制度説明もする。
制度や施設には大抵「精神障害者」という言葉がついているので、まずはその説明から始める。

~~制度上でてくる「精神障害者」という言葉について~~
「病気のために今はしんどいので、支援を求める権利のある状態」を、そういう権利のない状態と区別するため、法律では「障害者」と呼びます。
公的な制度は法律に基づくため、あらゆる制度で「障害者」という言葉がでてきます。不適切な言葉なので気にしないで、「支援を求める権利のある状態」と心の中で読み替えてください。

岡本は「求援権者」と勝手に呼んでます。
権利のある状態なら支援を使うのもOK。自力で行けるなら使わないのもOK。
自分で選べる選択肢です。
その時々の状況で自分に合う方を選べばよいのです。」

(かんたん統合失調症テキスト 岡本クリニック メンタルケア室 2012から引用 http://www.eonet.ne.jp/~okamoto-mental/text1.html

障害者という言葉にはいろいろな意見があるようだ。それぞれに一理あるのだろう。
けれど、もとを正せば「支援を求める権利のある状態」なのだから、そのまま言葉にすればいい。

ご結婚

もとメンバーからご結婚の報告をいただいた。
ウエディングドレスに包まれた幸せな笑顔に、胸がいっぱいになった。
一生懸命こつこつと働いていた彼女を、見ていた人がいたんだな・・・と思う。

女性に多い悩みのひとつが「婚活ってどうしたらいいかな」「出会いの機会がない」である。
でもこんなふうに、日々の暮らしのなかに出会いがひょっこり顔を出すこともある。

当事者によるテキストチェック

かんたん統合失調症教室で使っているテキストがある(クリニックのホームページで公開)。

ときおりメンバーから率直な意見をいただく。
なるほど。と思ったらすぐに書き直している。
医学的事実は書き直しようがないけれど、「ここは分かりにくい」等々、意見は大歓迎だ。

私は、あらゆる心理教育や認知行動療法のテキストやマニュアルに当事者の生の声がフィードバックされるべきだと思っている。
とりわけ「誇りを傷つけられたと感じる部分はないか」が重要だ。ひらたく言えば「ばかにされた気がしないか」。

デジタルな指標を用いて科学的に効果を評価することは大切だけれど、加えて、違う角度からのチェックも必要ではと思う。
患者さんは、不快感があっても上手く言えないで我慢していることがある。

まずは「自分が受けるならどうか」を考えなければならない。
しかし想像力の及ばないこともある。当事者に教えてもらうのが近道だ。






嵐のなかで

台風が近づいて、横なぐりの大雨に見舞われた。
出勤するのに一歩外へ出たら、たちまち全身ずぶぬれだ。
暴風警報が出たらグループは中止だけれど、今のところ大雨警報までだ。
みんな来るかなあ・・・これでは家から出にくいだろう・・・。

そんな中でも笑顔がそろった。「すごい雨でしたねえ」と言いながら。
そんな一コマ一コマに、やる気をいただいている。




開設2年の思い

他院通院中の統合失調症患者さんたちが、主治医の先生の治療を続けながら2つめの診療所として利用する。でもデイケアではない。

そんな形は前例がないらしい。外から見れば、何をするところか分かりにくいと思う。
それでもいろんな方々のご協力とご理解があったから、2年間やってこれた。

当事者、ご家族をはじめとして、医療機関、診療所協会、保健・福祉・労働など関係機関のご協力、行政の理解、どれがなくてもうまくいかなかっただろう。
恵まれたスタートに感謝のきもちでいっぱいだ。










 

 

 
 

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